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第64回 獣医麻酔集中治療 若齢動物の麻酔を学ぶ②

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2020.07.07

第64回 獣医麻酔集中治療 若齢動物の麻酔を学ぶ②

 

肝臓の機能

   

P450などのミクロソーム系は、生後3~4週で発達するようである

 

6週間もすると成年期の動物と同等の機能を有する

 

→基本的には肝臓代謝に依存しない薬物を使用する、あるいは拮抗薬のある薬剤ですね。

   

まあ、これは教科書にも書いてある基本的なところです。

 

したがって、オピオイドは拮抗薬があるので、どれも選択可能です。

 

そのうえで私はレミフェンタニルを使用することが多いです。でもこれは、侵襲度の高い手術の場合です。

 

私が過去に経験したのは、2か月齢のフレンチブルドックで異物による腸管閉塞で、開腹手術をしなくてはならなかった症例でした。

 

短頭種で若齢ってだけでも怖いのに、異物による閉塞で、腸管内に液体貯留

 

体液量のバランス、液体の誤嚥、呼吸不全(短頭種気道症候群)によって麻酔薬の選択は悩みどころです。

 

術後にあまり呼吸不全を残したくなかったので、切れ味の良いレミフェンタニルを選択。

これであれば、2か月という年齢も気にする必要はないので。

 

そのうえで、ミダゾラムやブトルファノールもいつも通り使用可能です。

 

拮抗もできるし、使い勝手は良いので、侵襲度の低い手術や処置では、神経ブロックを併用しながら鎮痛すれば強い麻薬なくてもできたりします。

     

結局、レミフェンタニルも徐脈にするので、アトロピン使ったり、色々めんどくささもあったりするのです。

     

避けておいた方が良い薬剤は強いてあげるのであれば、NSAIDsくらいです。

 

少なくとも3か月齢になるまでは避けた方が良いでしょう。

 

 

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