2021.03.31
第81回 クロールClの何が問題なのか?
久しぶりの投稿です(;^_^A
なぜ急にクロールについて投稿するかというと、VESでは有料会員向けの動画をたくさん作成しているのですが、
この動画の中で高クロール血症が腎傷害を引き起こすと解説しています。その中で、機序に関してはブログに載せてますよ・・・と説明していたからです笑
この動画たぶんVESができる前に作成したと思うので、全然覚えてなかったのですが、宮島にこんなこと言ってますが、どうします?と言われ、急遽ブログを更新しているというわけです(´;ω;`)ウッ…
ちなみにVESの教育コンテンツ動画はどれも10分前後なので、診療の合間や寝る前の10分間を勉強にあてることが可能です!
現在、音声プログラムも作成中ですので、寝れないときは石塚の声を聴きながら寝るのはいかがでしょうか?笑
さて、本題の高クロール血症についてですが、
①腎血管内にクロール投与すると腎血管収縮が生じる。また緻密斑でクロールを感知することでメサンギウム細胞が収縮する結果、GFRが低下することが示されています J Cli invest 1983,71:726‐735
②クロール大量投与による高クロール性アシドーシスから低血圧が生じ、腎血流低下 Chest 2004 ; 125 : 243‐8
③腹部臓器の血流分布の変化が生じる結果、腎血流量も低下 Anesth Analg 2001 ; 93 : 811‐6
④腎血管収縮によるGFR低下 Ann Surg 2012 ; 256 : 18‐24
などが報告されています。
つまるところ、腎血管収縮によるGFR低下と覚えておけば大丈夫ですかね。
極論、機序よりも高クロール血症が腎血流を低下させるだけでも良いと思います。