2020.05.05

第35回 心房細動⁉なら心房の機能について知っておこう!(獣医麻酔集中治療)

ブログ投稿を始めてからわずか2週間?でもう第35回になってしまいました笑

 

それだけ伝えたいことがたくさんありますね。というか、私のアウトプットの場になっています。

 

 

ただ、最近独立して悩んでいるのは、どんだけ頑張って麻酔集中治療に関する情報を盛り込んでも、リーチする人には限界があるということです。もっともっと、自己満足でなく、専門家を作るための裾野を広げて、麻酔に興味持つ人がたくさん増えるようにしたいと思っています。そのためには、私以外にも情報を発信する人がたくさん出てくると、いいなと思っているこの頃です。

 

 

 

 

そんなことを考えながら、youtubeで経済やインフレについて学び、ブログを更新し続けています笑

 

 

 

 

 

 

さて、

今日は心房の3つの機能について解説します。

 

 

 

なぜ、これらを説明するかというと、

MMVDで僧帽弁逆流を生じている症例で、

 

 

左房圧がめちゃ高く、

左室のスティフネスが高い場合、

 

 

左房-左室間圧較差は左房圧と左房収縮にだいぶ依存した状態になっていますね。

 

ここに心房細動が併発した病態となると、きちんとした心房の収縮がなくなってしまうので、ただでさえ心房に依存していた動物にとっては、大打撃が生じます。心房細動は心房がおよそ400~600回の頻度で興奮して、早く不規則な収縮を呈している。

 

 

ここまでで、心房の機能を実は軽く話し終わったのですが、文字にすると、

 

 

リザーバー機能(reservoir)

心房が弛緩し、徐々に血液が流入し拡張して心房に血液を溜める機能

 

 

導管機能(conduit)

房室間圧較差で心室に血液を供給する機能

 

 

心房収縮機能(booster pump)

心房が収縮し、能動的に心室に血液を供給する機能

 

 

 

これ、面白いですよね。

 

我々のように左室弛緩が正常である場合は、左室に血液を充満させるのは大部分が早期急速流入期で完了する。

 

 

よくわからなくなったら過去のブログをチェックしてくださいね!

 

 

 

つまり、booster pump機能は左室充満の約10%程度にすぎない。

では、このbooster pump機能が大きな役割をを果たすのは交感神経が活性化するような病態、簡単言えば運動時です。

心拍数増加により相対的な拡張時間が短縮すると、booster pump機能の割合は増加し、約40%に達すると言われている。

 

このような症例では、心房細動の治療を併用しないといけないし、心臓のbooster pump機能を高める薬剤の選択が欠かせませんね!

その内容に関しては、まだ論文化されていないので、VESコミュニティーで公開します。

 

 

それじゃ、また!