2020.05.13

第27回『輸液は悪者なのか⁉️🤔』まとめ

獣医麻酔集中治療に関する論文情報です!

 

Association Between Volume of Fluid Resuscitation and Intubation in High-Risk Patients With Sepsis, Heart Failure, End-Stage Renal Disease, and Cirrhosis

Khan RA, et al. Chest. 2020

 

 

「敗血症、心不全、末期腎臓病、肝硬変の患者さんに輸液蘇生で沢山入れたら挿管リスクが高くなるのか❓」

というコホート研究でした👨‍🔬

 

 

6時間以内に

①30ml/kg 以上の輸液蘇生群

②30ml/kg 以下の輸液蘇生群

で、72時間以内の挿管割合をみています☝️

 

 

 

⚫︎挿管の割合

①35%

②32%

(adjusted OR, 0.75; 95% CI, 0.41-1.36; P = .34)

 

 

⚫︎ICU滞在(free days)

①17 ± 11 days

②17 ± 10 days; P = .64

 

 

⚫︎人工呼吸期間

①10 ± 12 days

②11 ± 16 days; P = .96

 

 

でしたね❗️

さてさて、過剰輸液による肺水腫…よく聞きますね🤔これは、

「輸液が悪いのか❓」

 

それとも

 

 

「輸液入れすぎた人が悪いのか❓」

 

 

答えは明白ですね‼️

輸液量を考える上で基本となる考えは、

 

1.脱水(%)?

2.必要水分量?

3.喪失するであろう予定量(嘔吐、下痢など)

 

 

を考えなくてはなりませんね🧐

ただ、かなり主観的な要素が強いと言わざるを得ません…

 

例えば、10キロの犬🐶で、8%脱水。

1日必要水分量を仮に60ml/kgとして、嘔吐下痢が100ml/dayであった場合、

800+600+100=1500ml/day

です。時間あたりにすると62.5ml/hrとなり、大体6ml/kg/hrとなる計算です。

 

これを基本としますが、当たり前ですが、主観なので足りなかったり、多すぎたりします。

 

では、どうするか…

心拍、血圧、CRT、四肢末梢温度、エコー、尿量を見ながら調整するしかないのです‼️

心臓悪いから輸液はできない…と言う前に、その患者さんに輸液が必要か?もしくは、必要であるならば投与しながら上記のものを評価するしか方法はないですよね🤔

 

とは言っても、肺水腫になったらどうしよう…って怖いですけどね😅

 

この研究は、あくまでも輸液フェーズで言う

 

Rescue期

Optimization期

Stabilization期

de-Escalation期

 

のうち、Rescue期にあたるはずです。

 

私の説明したフェーズはOptimization〜Stabilizationにあたる所なので、より管理が難しい所ですが、今一度輸液の必要性を考え、常に評価が必要な時代へと突入していると思われます🏃‍♂️✨

 

みなさんがどうしてるかも是非教えてください!🤗