2020.05.01

第23回『敗血症初期にノルアドレナリンはやばいのか⁉️』まとめ

獣医麻酔集中治療に関する論文の紹介です!

 

Permpikul C, Tongyoo S, Viarasilpa T, et al.

Early Use of Norepinephrine in Septic Shock Resuscitation (CENSER) : A Randomized Trial. Am J Respir Crit Care Med. 2019 Feb 1.PMID: 30704260.

 

 

敗血症ショック初期で輸液とノルアドレナリン0.05μg/kg/minを併用してみた、という研究です👨‍🔬

 

ショック離脱割合

28日死亡率

臓器障害

などなど…

 

 

併用してもしなくてもこれらの項目に差はないとなっています🤔

敗血症ショックは、

 

 

 

血液分布異常性ショック+循環血液量減少性ショック

 

ですね☝️今のところの私の敗血症治療の認識としては、

 

 

 

酸素運搬量増やす→輸液、(強心)

血圧あげる→昇圧薬

 

 

 

なのですが、

病態に合わない昇圧薬の使用はCRT延長や四肢末端冷感、乳酸値上昇、血圧上昇しない、などおそらく症例の予後を悪化させます👿

今回の研究報告のポイントは、輸液蘇生と同時に昇圧薬を使用していることです💉

たしかに輸液単独で静脈圧を上げ、静脈還流量を増やすのはかなり難しいですが、ある程度の血管抵抗を上げてから輸液すると静脈圧を効率よく上げて静脈還流量を増やすことが可能です😊

 

Levick. An introduction to cardiovascular physiology, Hodder Amold,2010

 

 

 

しかもこの研究では、

ショック離脱時間が

早期ノルアド群 4:45

プラセボ群 6:02

p<0.001

 

 

 

となっており、ショックも早く改善ができるようです👏🏻

血圧低下持続時間が患者予後に影響を及ぼすことが認知され始めていることを考慮すると、ショックも早く離脱するのに異論はないと思われます👍✨