2020.04.20

第33回『経口投与による低血糖治療‼️本当に血糖値上がってるのか⁉️』まとめ

獣医救急および集中治療に関する論文の紹介です!

 

Immediate Effect of Transmucosal Application of Corn Syrup or 50% Dextrose Solution on Blood Glucose Concentrations in Healthy Dogs

Rhonda L Holt et al. J Vet Emerg Crit Care (San Antonio). Nov 2019

結果としては、経口(経粘膜)ではグルコースの血中濃度上昇は緩やかで、緊急治療としての即効性は無さそう…という結果でした🤔

そもそも低血糖に対する生体反応に関して少し解説します👨‍⚕️

血糖の低下に伴い生体反応は変化することがわかっています🩺

大体80mg/dlを下回ると、

インスリン分泌抑制

グルカゴン、アドレナリン分泌

成長ホルモン、コルチゾール分泌

低血糖症状(50mg/dl)

傾眠(40mg/dl)

痙攣、脳障害(30mg/dl)

脳死(10mg/dl)

 

といった反応となります🧠

つまり本来であればホルモンなどによってコントロールされるはずが、インスリン分泌過剰によるブドウ糖利用促進やインスリン拮抗ホルモンの低下、肝臓の機能障害によるブドウ糖供給低下などによって生じるわけですね😵

 

この代償機構によって、症状は

交感神経症状と中枢神経症状に分けられるのが特徴なのですが、犬猫で交感神経症状を感知するのはめちゃくちゃ難しいです💨

 

1番厄介なのは、無自覚低血糖です😨

たまに血糖値50mg/dlを慢性的に維持しているのに何も症状を出さない症例もいます😰

したがって、いきなり中枢神経症状が出現します⚡️早期の診断が必要になりますね💦

 

救急外来では、低血糖症状を治療するために静脈投与は必須なのかもしれませんね💉

その後、低下の程度によって経口に切り替えるか、持続点滴するかを考えて行く必要がありそうです😊