2020.04.20
第36回『あなどれない⁉️低リン血症が及ぼす罠🚨』まとめ
獣医麻酔集中治療に関する論文の紹介です!
Treatment of Hypophosphatemia in the Intensive Care Unit: A Review
Daniël A Geerse et al. Crit Care. 2010.
低リン血症は意外と集中治療患者では多いという話でした🤔
リン欠乏で生じる不可解な症状としては、
○原因不明の意識障害
○循環動態の不安定
○人工呼吸器からの離脱困難
なんて症状もあるようで、
なんで⁉️
なんて思ったりもするのですが、要は、
「筋肉の麻痺」
が原因なのでしょう🤔
つまり嚥下障害や心筋の収縮不全、血圧低下、心拍出量低下なんかも引き起こされます😰呼吸筋に影響が出れば当然呼吸不全も引き起こすわけですね🤢
これだけあまり注目されないリンPですが、ある物質を作るのに欠かせません❗️
それは…
「ATP」
です‼️
ATPは生体ではご存知のように重要な役割を担っていますし、さらに2,3DPGを産生するにもリンPは必要なわけです👊
この2,3DPGがないと、赤血球から酸素が離れにくいので、頑張って酸素運搬量を維持しても、組織には酸素が供給できなかったりします🙅♂️
たまに血ガス見ると気付くのですが、あまり注目はされていませんね…
一般的な原因としては、
敗血症
術後
外傷
輸液
リフィーディング症候群
呼吸性アルカローシス
代謝性アシドーシス
グルコース/インスリン療法
カテコラミン
利尿剤
腎代替療法
です。注意が必要なのはカリウムと同じ動きをすることです‼️つまり、GI療法(グルコースインスリン)すると下がりますし、糖尿病性ケトアシドーシス治療でもリンPは絶対にさがりますね。
治療としては、20〜30mEqのリン酸塩を24時間で投与します💉
市販されているリン酸塩はカリウムが入っているのでボーラスは絶対ダメです🙅♂️24時間かけて投与して翌日血液検査します。大丈夫ならやめるといった感じです。カルシウムなどと混ぜないようにしてください🧪