2020.04.24

第11回 PEEPの役割を簡単にだけ(獣医麻酔集中治療)

皆さん、こんばんは。

 

 

先ほどオンラインセミナーを実施しました。今回は獣医師の先生方が150名、動物看護師の方々が200名も申し込みをしてくださったようで、非常にうれしい限りです。見逃し配信もあるので、リアルタイムの参加者はそんなに多くなかったですが、これがウェブ配信の良いところですね。

 

 

一方で、聴講者の顔が見えないので、スピーカーはやりにくいのはあります。

 

いつもは聴講者の顔色見ながら話す内容変えますが、見れないので多様なニーズを満たそうと必要ないことも話過ぎました・・・

 

いつもに増して早口だったなぁ、と次回に活かしたいですが、まずは聴講者さまのアンケートを見て、改善点を探そうと思います。

 

ぜひ忌憚のない意見をいただけると幸いです。・・・辛くならない程度でよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

さて、PEEPの使いどころに関して

 

ですが、役割は大きく分けると2~3つの役割があります。

 

①低酸素性呼吸不全に対して:虚脱肺を再疎通させたり、その虚脱を再度起きないようにすることで酸素化の改善を狙う

 

②auto-PEEP(COPDの動物など)が存在するときのトリガーを補助するため

 

③心不全における前負荷と高負荷の軽減

 

 

いわゆる低酸素性呼吸不全に対しては機能的残気量(FRC)が低下しています。このFRC低下が酸素化を悪化させますし、最終的にはコンプライアンスも低下させることになります。

 

今回セミナー中にご質問された内容ですが、

 

 

「クッシング症候群を併発している動物に対してPEEPを使わなくても良いのはなぜか?」

 

 

に関してですが、別に使っても全然良いです。ご担当された動物に麻酔をかけたときにコンプライアンスが低く、FRCが低いことで低酸素になるのであればPEEPを使っていただければよいと思います。

 

 

そのうえで、もともと肺に疾患を持っている動物でなければ、麻酔中にPEEPが必要になるほどの低酸素性呼吸不全になることはクッシング症候群症例ではほとんどいないと思います。

 

使いどころやデメリット含めてPEEPの使用に関しては、このブログ内でそのうち詳しく解説しますね!