2020.05.10

第40回 そうだったのか!前負荷評価まとめ(獣医麻酔集中治療)

実は前にLINE公式アカウントのタイムラインで書いたことですが、今一度解説しておきます

 

 

 

 

体液量評価が欠かせないのが、輸液の1番難しいところです

 

体液量の評価方法には、

 

 

 

①心拍数や血圧

②輸液チャレンジ

③静的指標(CVPやPAWPなど)

④動的指標(PPV,SVV,PVIなど)

⑤エコーによる内腔評価

⑥尿中電解質

⑦乳酸

⑧毛細血管再充満時間(CRT)

⑨四肢末梢温度や皮膚色

 

 

 

 

などがあります。エコーによる評価は測定項目によっては③静的指標に含まれる場合もあります。

体液量の評価と循環評価を合わせて生体管理するイメージですね☝️

 

 

結論から言えば、エコーでの視覚情報から心内腔は評価できますし、心収縮、大動脈流出速度、心拍出量、一回拍出量などフローベースの項目も評価できちゃうので、かなり使えるツールですよね

 

もちろん弱点も存在しています

 

 

それを考える上で

 

 

 

前負荷の影響

 

 

 

というものを考えなくてはなりません

 

 

 

 

教科書とか色々なセミナーで『前負荷=循環血液量』と便宜上解説されているので誤解されている方もいらっしゃるかと思いますが、前負荷は心筋線維が伸展したときにかかる負荷なので、

 

 

 

・輸液負荷

・循環血液量増加

・心拍数低下(拡張時間が増えるので)

・人工呼吸<自発呼吸(静脈還流量増えます)

・流出路異常(大動脈弁狭窄などで左室内の血液すべてが拍出できないため、左室に残っちゃう)

・心収縮抑制(拍出できないから、左室に残っちゃう)

 

 

 

 

などで前負荷は増加します

正確には心臓の負荷を評価しているのが前負荷ですね。

つまり、

 

 

循環血液量が少なくても、心臓の収縮が悪ければ前負荷は増えちゃいますね

 

 

 

「心内腔は正常だから循環血液量充分だ!輸液いらない!」は間違いですし、「心内腔カスカスだ!循環血液量不足!輸液だ!」も間違いです

 

やはり総合評価が必要ということですね

 

でも、心内腔カスカスだったら、輸液した方が良いでしょ……そう思った方はそれでいいのです

 

それが輸液反応性をみるということです

 

 

 

例えば、嘔吐下痢、飲水できていない中での頻脈+心内腔カスカスだったら、輸液した方が絶対良さそうですよね

 

そんな場合も輸液反応性は正当化されるでしょう。

 

 

 

でも私は、輸液反応性ではなく前負荷反応性の方が正しいのかなと思っています

 

つまり、このようなシグナルメントがなく、脱水が考えにくい症例なら、心内腔がカスカスでも、まずノルアドやフェニレフリンで前負荷反応性を評価して、血圧上昇+PEtCO2の増加を認めたら前負荷反応性ありと評価します

 

 

実際に敗血症患者さんでノルアド使って、一回拍出量が増加するかどうかを前負荷反応性試験として評価した研究も存在します。

 

 

前負荷の考え方、少し変わりましたか

 

それじゃ、また!