2020.05.14

第45回 獣医麻酔:甲状腺機能低下症の麻酔管理⑤

厄介な症例麻酔の実際、

甲状腺機能低下症を合併する胆嚢粘液嚢腫で膵炎合併, CRP>OVER!!!

 

 

 

ヘマトクリット48%, TP: 8.4g/dl, HR:165bpm, MAP98mmHg

 

嘔吐下痢(+)

 

→細胞外脱水を起こしている症例に対してどう戦うか?

 

 

 

 

普段であれば、甲状腺機能低下症症例に麻酔する場合、深くまで考えることは少ない。

 

カテコラミン反応性が低かったとしても、脱水があったとしても、低体温があったとしても大体はカテコラミンの増量と輸液で何とかなるからである。

 

でも、もし甲状腺機能低下症を合併していて、手術が難航しそうな胆嚢、しかも炎症マーカーが跳ね上がり、

 

血管透過性や脱水が顕著になりそうな症例です。しかも膵炎合併していて、術後まで引きずりそう・・・

 

なんていう症例になると甲状腺機能低下症はただの甲状腺機能低下症ではなくなります。

 

 

ただでさえ、炎症性疾患のときは輸液量気にしたり、低血圧に悩まされるものです。

 

そこに、甲状腺機能低下症によるカテコラミン反応性低下、低体温、その低体温によるカテコラミンの反応性低下・・・

 

もうどうしたらよいの?状態です。

 

ありきたりですが、麻酔のポイントは、

 

 

 

バランス麻酔

カテコラミン先行投与

体液コントロール

体温管理

 

 

 

が重要となります。

 

 

 

このような症例は、手術開始前からエコーによる体液量評価を実施し、必要ならこのタイミングで心拍出量増加させるためにドパミンやノルアドを併用することもあります。もちろん血圧や心拍出量にもよりますが。

 

 

 

 

術前輸液コントロール

術前保温

 

 

 

 

を開始し、先に体液量と体温の問題を考えなくても良いようにするのも大切です。

麻酔導入10分前からドパミンもしくはノルアドレナリン投与し、その後麻酔導入するのも良いと思います。

 

でも、一番悩むのが、術中の体液管理ですよね。

詳細はVESコミュニティーでお話します!

 

次回は、獣医麻酔集中治療編!粘液水腫を合併したときです。

お楽しみに!

それじゃ、また!