2020.05.21
第59回 獣医麻酔集中治療:腎臓を丸裸にしていみる③
近位尿細管についてです。
ん?前回もやりましたか?そうなんです。まだ終わってなかったのです笑
それだけなかなか強敵なんです。
東京女子医科大学腎臓内科ホームページより引用改変いたしました
近位尿細管で大切なのはNHE3細胞であって、いわゆるナトリウムを吸収する機能を持つ細胞である。
Naと同時にHCO3を吸収する。
これによって多くのHCO3が吸収されるため、血中のHCO3は維持される。
こことても大切です。
なぜなら、この先、集合管に到達するNa量が減少することで、集合管でのカリウムイオンと水素イオンの排泄障害が生じるため
高カリウムを伴ったアシドーシスへと進行します。
アシドーシスあるいはアルカローシスに関わっているところが集合管とかにあるA型間在細胞やB型間在細胞と呼ばれる部位です。
ここで最終調整が行われるというわけです。まぁ、このお話は・・・まだまだ先ですね笑
近位尿細管の血管側にはNa-K-ATPaseがあるほか、Na-HCO3共輸送体(NBC1)があり、ナトリウムや重炭酸は体内へ再吸収されるのです。
厳密に考えたい人は、
このHCO3が直接細胞内に入るわけないじゃんと思ったかもしれませんね。
そうなんです。実際には、重炭酸は炭酸脱水素酵素によって分解されて二酸化炭素の形で細胞内に入ります。
そうすると細胞内のH2Oと反応してHCO3が産生されることで細胞内に入っていくわけですね!
もうすぐ近位尿細管は終わります!
え?まだあるの?ここから先は覚えなくても大丈夫です笑
用語だけでも聞きたい人は、グルタミン脱アミノ化反応という言葉だけ頭の片隅に置いておいてください。
では、少しだけ説明します。
これはアシドーシスが進行した際に亢進するとされていて、ようは体からNH4の形で尿中に水素イオンを排泄させるというメカニズムです。これにはグルタミンが関わっているようで、血液中から細胞内にグルタミンが移動し、グルタミン酸からNH4が産生され、尿細管側に排泄される機構も存在します。