2020.09.16

第76回 感染症=発熱?, 発熱=感染症⁉

発熱は厄介な問題です。

なぜか?

感染症では発熱が重要な症状ですが、発熱しているからといって感染症があるとは言えないからです。

でも何となく入院中の動物が発熱したら、しかもそれが手術後だったら?

「感染していたらどうしよう・・・」

となるのが我々の心理ではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

発熱とは??

 

犬猫では大体38.0℃くらいに厳密に調節されています。

寒い環境に行けば、

 

末梢血管収縮によって熱放散を低下させますし、ふるえ(シバリング)によって熱産生増加させます。

 

 

 

暑ければ、

 

末梢血管拡張によって熱放散を促進し、発汗や避暑地に逃げるなどの暑熱反応が生じます。

 

 

 

発熱は悪いのか⁉

 

発熱は

【炎症反応の表現型のひとつであって、体温のセットポイント(閾値間域)を上昇させ、異物を除去し、組織を修復することを意味します。】

 

 

ようは必要な事象ということです。

 

 

 

発熱のメカニズム

 

 

微生物の侵入または組織破壊

免疫担当細胞(マクロファージや樹上細胞)

IL-1, TNF-αなどの炎症性サイトカイン

PGE2産生

視床下部にいけるセットポイント上昇

シバリング、末梢血管収縮

発熱

 

 

 

この意味合いとしては微生物に対する抵抗性を増加させることです。

 

実際に哺乳類は体温が1℃上昇すると真菌感染リスクを6%減少させることが示唆されています。

 

様々な研究が存在しますが、

 

体温上昇がいわゆる生体を守るための防御機構であると言えます。