2021.05.14

第82回 抗菌薬について語り始める

日常的に行われる抗菌薬

 

輸液もそうですが、私は日常的に使用される治療薬に興味があるようです。

 

抗菌薬投与の基準は何ですか?

 

 

発熱

 

CRP上昇

 

 

 

より、たぶん感染症だ!とりあえず抗菌薬。

 

申し訳ないですがよく見る風景です。

 

しかも、よくわからないから、外したら怖いから、とりあえず広域な抗菌薬・・・

 

 

 

確かに、敗血症などの恐ろしい感染症も存在しています。

 

耐性菌にはかなり注意が必要な時代ですが、抗菌薬が効かない感染症で、動物がバッタバタと亡くなっているわけではありません。

 

それよりも、よくわからないから抗菌薬使って、気づいたら耐性菌だらけで何も効かない・・・

 

これが最悪のパターンで、一番ダメなやつです。

 

大切なのは、耐性菌を想定して広域で強い抗菌薬を使うのではなく、臓器特有の感受性菌(想定される菌)を考えることです。

 

発熱とCRP上昇で感染症を疑って、肺炎や尿路感染を除外することはとても大切なことです。

 

先日もチワワ、発熱、呼吸苦、WBC over、CRP上昇で紹介来院された症例が、感染症を疑って抗菌薬を投与されていましたが、血液塗沫を見ると、多量のリンパ芽球がいました。

 

もちろんこの症例は感染症じゃないですね。

 

当たり前の検査をきちんと熟すことはとても大切なのです。