2020.05.13
第24回『重炭酸ナトリウム(メイロン)は役立つのか⁉️使う❓使わない❓』まとめ
獣医麻酔集中治療に関する論文の紹介です!
さて、今回はよく質問されて、悩む重炭酸ナトリウム(メイロン)についてでした!
Sodium bicarbonate therapy for patients with severe metabolic acidaemia in the intensive care unit (BICAR-ICU): a multicentre, open-label, randomised controlled, phase 3 trial.
Lancet 2018; 392: 31-40
代謝性アシドーシスに対して慣習的な重炭酸ナトリウム投与は意味があるのか❓を検討しています🤔
28日生存率:変わらない
臓器障害:変わらない
いずれも統計学的な有意差はありませんでした。
ただし、腎障害を有する患者さんに限定すると
28日生存率、臓器障害ともに改善する✨
ということでしたね!👍
つまり使っても使わなくてもどっちでも良い、ということです😅
私は、ほとんどの症例で使用していません🙅♂️
使うのはCPRの時くらいですね🚑
メリットもあるのですが、使用に対し特に注意が必要なのはナトリウム負荷ですね⚠️
かなりのナトリウム含量なので急激な高ナトリウム血症などを引き起こします。
特に胸水や腹水などはナトリウム負荷によってその漏出が増えるとする報告もあるので、特に注意が必要です🚨
さらにアシドーシスは酸素解離曲線を右方変位させます。これはいわば、酸素供給を増やすための生体の代償反応です☝️それを原因解明せずに酸素解離曲線だけを元に戻してしまうと、状況によっては酸素供給不足を引き起こしかねない事態となります😰貧血動物を脱水させて、無理やりヘマトクリットを上昇させているのと同じですね😵
この論文的にも、焦って投与する薬でもないことから、まずは原因解明‼️その後、どうするか考える‼️これを意識してみてくださいね👍✨