2020.04.22
第29回 『体液量と血液量は別物…‼️なのです‼️』まとめ
獣医麻酔集中治療に関する論文の紹介です!
The Amount of Fluid Given During Surgery That Leaks Into the Interstitium Correlates With Infused Fluid Volume and Varies Widely Between Patients: Erratum.
Anesth Analg. 2017.
この論文によれば、
「輸液量と血管内容量増加は相関せず」
「輸液量と間質への濾過量は相関する」
つまり、輸液は「体液量を増加させるが、血液量は増加させない」ということでしたね☝️
もちろん、これらの患者さんは予定手術なので比較的健康で脱水も無いという条件ですので、そこは注意が必要です⚠️
最近は、zero fluid balanceといった概念が普及していますね🤔
ちょっと前に輸液反応性について様々な研究が行われていましたが、たとえば輸液量や投与速度によっては輸液が必要で無いと思われる症例に対しても輸液反応性が出てしまうという事も多々ありました❗️
結局は、反応性があったところで、その入れた輸液がどのくらい血管内に残るか❓の方が重要ということですね‼️
こうなると、結局脱水や循環血液量が減少した患者さん以外には輸液は要らないんじゃないか…と私は考えてしまうのですが…🤔
その上でやはり心配なのは絶飲食ですね。
動物の場合は、水分を奪われる状況が人よりも多い気がしますので、一概には言えませんが、
「10時間の絶食は心肺の健康な患者では循環血液量の減少は無い」
Acta Anaesthesiol Scand.2008.
なんてことも報告されていますね☝️
ますます、健康な症例に対する輸液の役割がないように私は感じますが、ここから先は個人の判断にお任せいたします😅👍
スターリング式が改変されてから晶質液と膠質液に差がないとか、アルブミン製剤でも変わらないとか色々ありますが…
今一度確認ですが、これは循環血液量が減少している症例に対してです🤚❗️
では、比較的健康な個体では⁉️
晶質液、膠質液、輸血、これらには…差が出ます😏
次回はそんなお話をしますね😊
輸血は本当に循環血液量を増加させるのか…⁉️
次回をお楽しみに✨